東京都の中では、島しょ部を除くと唯一の村である「檜原村」をご存知ですか? 都心から約50km離れた東京の西部に位置し、村の93%が森林を占め、東京とは思えない大自然を満喫できるエリアです。
檜原村には日本の滝百選に選ばれた「払沢(ほっさわ)の滝」、都指定の天然記念物「神戸岩(かのといわ)」、日帰り入浴ができる温泉「数馬の湯」、自然教室や木工体験ができる「檜原都民の森」など多くの魅力溢れるスポットがあります。
2021年には、7月に「ひのはらファクトリー」、11月に村の豊かな森の恵みを生かした体験型の美術館「檜原 森のおもちゃ美術館」がオープンし、お出かけにおすすめのレジャースポットが増えています。
今回は、新しく檜原村に誕生したスポットの中から「ひのはらファクトリー」さんを取材させていただけることになりました。「ファクトリー」という施設名ですが、オープン時の資料をみると「製造所の意味だけではなく、村で直売できる場所、事業を作る場所、ものを作って売る人が学ぶ場所に育てていきたいとの思いから『ひのはらファクトリー』と名付けた」とあり、工場から思い描く施設のイメージとはちょっと違いそうです。
お話を伺ったのは、ひのはらファクトリーの運営を行っている「株式会社ウッドボックス」の小林さん。当施設の店長で、檜原村生まれ、檜原村育ちのとても気さくな方でした。
焼酎の製造や農産物・加工品販売、軽食の提供も行う
ひのはらファクトリーは、檜原村のじゃがいもを100%使用した「じゃがいも焼酎」製造や販売を行っている施設です。
他にも施設内の蒸留所から抽出した檜原産のヒノキの精油や木工品、雑貨の販売も多く手掛けています。檜原産のヒノキのマスクケースはメディアでも取り上げられ、これまでに4万個以上売れた、大ヒット商品となっているんです。
4万個販売達成記念の感謝キャンペーンとして、檜原産ヒノキのマスクケース&マスクスプレーも販売中です。
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軽食カフェの人気メニューはお食事系クレープ
また、軽食カフェも併設し、地元の食材が入ったカレー・焼きそば・じゃがいもコロッケといった軽食類から、クレープ・アイスなどのデザート類の提供や、地元産のジャム・うめぼし・野菜などの販売も行っています。
人気メニューはクレープです。ブルーベリー味などのスイーツ系のクレープはもちろん、お食事系のクレープの「まいたけチーズ」「ネギ肉チーズ」「じゃがいもハムチーズ」が人気で、リピーターも多いんです。
また、檜原村出身の大学生が、地元活性化・食材ロス対策のために商品開発したスイーツも販売開始しています。
檜原産じゃがいも焼酎の成り立ち
檜原村では、昔から焼酎づくりが行われていたのですか?
いえ、檜原村でじゃがいも焼酎がつくられるようになったのは、2021年からなんです。
じゃがいもは水はけがいいほうが、いいじゃがいもが育つので、檜原村に多くみられる傾斜のついた畑はじゃがいも栽培に適しています。ただ、檜原村は寒冷地で専業農家が成り立たなかったので、昔は各家庭で作って食べたり、親戚に送る程度だったんです。
焼酎については、2006年から2020年まで、村で収穫したじゃがいもを北海道や長野の酒造に送り、焼酎の製造を委託していました。西多摩の酒造には焼酎を作る機械がなく、焼酎造りについても製造量の問題や酒造免許など高いハードルがあり、村で焼酎を造るのは非常に困難だったようです。
檜原村のじゃがいもと水を使い、村の気候風土の中でつくる本物のメイド・イン・ヒノハラのじゃがいも焼酎の販売は、現村長の坂本義次村長が議員時代から温めていたもので、20年越しの夢が叶ったものになります。
檜原村を第2の故郷と感じてもらいたい
今後の予定や目指していることを教えてください。
檜原村に訪れたことのない人にも、ぜひ足を運んでいただきたいという想いがあります。
都会の方だと故郷がないっていう方もいらっしゃると思うんですね。そういった方に檜原村に来ていただいて、檜原村が第2の故郷のように心が安らぐ、日頃の疲れを癒してくれる場所になれば幸いです。
ぜひ檜原村に来ていただき、1人でも多くの方に檜原村の良さをわかっていただいて、また来たいと思ってもらえるように頑張っていきたいと思います。
多くのお客様に来ていただいて、檜原村の良さをわかっていただくことが、地域の一番の活性化になるのではと考えています。活性化をするのは、そこが最大のポイントなのかなって思うんですよね。
人の想い、地域の未来を形にする「ひのはらファクトリー」
ひのはらファクトリーは、村長の20年越しの夢が叶ったメイド・イン・ヒノハラの焼酎販売、檜原産のヒノキを使った商品や地元産の農産物を使用したメニューなど、人の想いや地域の魅力を形にしていく場所でした。今後はものづくりで起業したい人に向けて創業支援事業にも力を入れていくそうです。
小林さんは、若い頃は地元があまり好きではなかったそうですが、今は胸を張って故郷が好きだと言え、誇れますとおっしゃっていました。この変化は、地域の魅力を高め、発信し、檜原村を盛り上げようとしている人たちがいること、檜原村の魅力が多くの方に伝わるようになったことによるものなのだろうと筆者は思いました。また、小林さんからはその中の一人として、一所懸命に頑張っていこうという強い想いが感じられました。
圏央道からのアクセスも良い
圏央道の開通により、檜原村はこれまでよりアクセスしやすい場所になりました。日帰りでアクセスできるエリアも広がり、横浜や川越からの来訪も増えているようです。
東京とは思えない大自然を満喫できる檜原村。檜原村の魅力が詰まった「ひのはらファクトリー」にぜひ足を運んでみてください。
檜原村へのアクセス
<車でのアクセス>
圏央道
●「日の出インター」から五日市街道経由およそ15km 30分
●「あきる野インター」から滝山街道経由およそ15km 30分
<バス・電車でのアクセス>
●檜原村~武蔵五日市駅間:西東京バス 約30分
●武蔵五日市駅~立川駅間:JR五日市線 約40分
●立川駅~東京駅間:JR中央線 約50分
ひのはらファクトリー
営業時間 | 11:00-17:00 |
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定休日 | 月、火曜日 |
アクセス | ・バス:西東京バス「夏地(ひのはらファクトリー)」バス停から徒歩1分 ・車:JR武蔵五日市駅から秋川、北秋川沿いに25分 |
駐車場 | あり |
住所 | 〒190-0200 東京都西多摩郡檜原村小沢4023-1 |
電話番号 | 042-588-5170 |