学校や会社、自治体などで定期的に実施されている『避難訓練』
実際に災害が起こった状況を想定し、安全を確保しつつ被害の及ばない場所まで避難する訓練です。
立川市では、今年の7月から市のLINE公式アカウントにて「LINEでつながる避難訓練」という取り組みを行っています。
今回は、立川市の防災に関わっている方々に話を伺いました。
総合政策部 広報課 広報広聴係の鳥野さん(左)、市民生活部 防災課 防災推進係の中島さん(右)
中島さんは、LINEでつながる避難訓練の立ち上げから関わり、立川市の様々な防災活動に取り組んでいます。
まず、中島さんの普段のお仕事の内容や活動についてお聞きしました。
防災課のお仕事とは
-中島さんの普段のお仕事や、防災推進係としての役割について教えてください
立川市の防災に関わる様々な業務を行っています。例えば毎年実施される総合防災訓練では災害に備える為の訓練や、防災意識を高める活動をしております。他には市内の小中学校をはじめとする避難所にある非常食などの備蓄品の管理や、立川市消防団の運営、あとは夕方になると「夕焼け小焼け」が流れる防災行政無線などがあるのですが、これらの情報通信手段の運用管理をしています。
-実際に地震や風水害時または火事の際にも対応することもあるのでしょうか?
市内で住宅火災があった際、火災現場に向かい、被災された方への対応をすることもあります。地震や風水害時は、市役所内で全体運営や調整を行います。
LINEで避難訓練ってどんなもの?
-簡単に言うと、どんな訓練なのですか?
立川市のLINE公式アカウントを利用して行う訓練です。公式アカウントを友だち登録の上、『LINEでつながる避難訓練』のメニューをタップすることで参加できます。『地震編』と『風水害編』の2つの災害の想定で、送信されるトークに沿ってステップを進めていただき、避難訓練を体験学習することができます。
-なぜLINEでやることにしたのですか?
近年、コロナ禍や防災に関しての関心が薄いなどの理由で避難訓練に参加する人が減ってきています。興味があっても時間がなくて参加できないという方もいらっしゃいますので、その様な方達に参加してもらうにはどうしたらいいだろうと考えた時に、多くの人が利用しているLINEで出来ないかと考えたのがきっかけです。あとは立川市のLINE公式アカウントがありまして、こちらが立川市の情報を得ることができるとても便利なアカウントになりますので、是非併せて利用していただきたいと思いました。
立川市の公式LINEを運営している広報課の鳥野さん(右)も同じ想いです。
-どのような方に使って欲しいですか?
訓練に参加出来ない人や、20〜30代の働いている方、若い世代の方達など、様々な人達に利用してもらいたいです。そして情報をシェアして利用者が増えていけたら嬉しいですね。
実際にやってみました
まずは立川市公式アカウントを友だち登録します
LINEアプリの検索バーで「立川市」と検索すると、友だち登録できます。運用開始から1年弱、すでに1万4千人以上の方が登録しているそうです。
防災アイコンをタップ
「防災」アイコンをタップすると「LINEでつながる避難訓練」のアイコンがでてくるのでタップします。
実施する訓練を選ぶ
『地震編』『風水害編』の2つから選ぶことができます。今回は『地震編』で訓練を進めます。
問題に答えます
震度6強の地震が発生。『地震が起きた時の正しい行動』を問われます。正しいと思うものをタップします。
トークに沿って進めていきます
正解すると『家庭状況』『被害状況』の確認と、トークに沿ってステップを進めていけます。
ステップの途中、東京備蓄ナビで「災害に備えた備蓄」に関して調べることもできます。
約3分で終了
訓練終了の画面が出たら終わりです。『訓練終了する』をタップして終了します。
感想とおすすめポイント
思っていたより手軽にできる!約3分ほどなので、気負いせずに訓練できそうです。クイズの解説の中で「避難の際の注意点」や、意外と知らない「一次避難所の場所」を確認できるのも良いです。イラストも豊富で分かりやすいので、小中学生のお子さんにもオススメです。
※ちなみに『風水害編』では台風が3日後に直撃するという想定で、気象情報、警戒レベル及びハザードマップの確認ができる内容でした。
そして何よりLINEで出来るので、ちょっとしたスキマ時間にできるのが嬉しい。
『職場や学校の避難訓練に参加できなかった』という人にもピッタリではないでしょうか。
👀 編集部から見た、おすすめポイントまとめ!
・LINEで気軽に、いつでも訓練できる
・イラスト豊富で分かりやすい!シェアしてみんなで訓練できる
・『地震編』『風水害編』と状況を変えることができる
・外部サイトでさらに詳しい情報を得ることができる
立川市のこれからについて
-これからの防災や、立川市についての思いを教えてください
(中島さん)今回の『LINEでつながる避難訓練』は初めての試みになりますので、大人から子供まで、色々な人に是非体験してほしいです。そしてみなさんの防災意識を高めていくお手伝いができたらいいなと思いますので、よろしくお願いします。
また今年度も立川市総合防災訓練を11月12日(日)に実施します。今回は柴崎町にある立川第一中学校が訓練の主会場となります。各ブースでも体験を中心としたブースを多く検討しておりますので、是非ご参加いただければ幸いです。
(鳥野さん)立川市の公式LINEアカウントはまだまだ始めたばかりになりますが、今回の『LINEでつながる避難訓練』を通じて、『LINE公式アカウント=情報を受け取るもの』という受動的なイメージの媒体から、受信者が能動的に情報を得ることができる媒体になっていき、立川市の魅力がより皆さんに伝わりやすくなっていけばいいなと思います。また私たちもより良い情報を発信していく様に頑張りますので、ぜひ皆さんで情報をシェアして友だち登録していただければと思います。
誰でも、どこでも、防災意識を高める大切さ
今回お二人にお話を聞き、『LINEでつながる避難訓練』を体験してみて、改めて防災について考える良いきっかけになったと感じました。
LINEという便利なツールを使うことにより、今までより避難訓練が身近になり、家族や周りの人達と防災について考える機会も増えていくのではないかと思います。実際に災害が起きた時に慌てない為にも、『自分から』情報を得ることを大切にしていきたいと思います。
またTAMAebooksでは、立川市の防災マップを配信中ですので、ぜひこちらも御覧ください。