かがくいひろしの世界展とは?
刊行からわずか15年で、累計発行部数900万部を越える絵本「だるまさん」シリーズの作者であるかがくいひろし(以下、かがくいさん)の没後初の企画展になります。
かがくいさんは50歳にして遅咲きの絵本作家デビューを果たし、たった4年で16作品を次々と描きあげ、54歳で世を去りました。
実はかがくいさんは特別支援教育のベテラン教員であり、「だるまさん」シリーズをはじめとする絵本は、障がい児教育の現場経験から生み出されたものなのです。
今回の企画展では、絵本原画やアイデアノートとともに、教員時代に手がけた教材や人形劇の貴重な記録をひもとき、日本中の子ども達を笑顔にし続けているかがくいさんの軌跡をふりかえり、絵本のルーツに迫ります。
かがくいひろしの世界展
会場 | 八王子市夢美術館 東京都八王子市八日町8-1 ビュータワー八王子2F |
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開催日時 | 2024年9月14日(土)~11月4日(月・祝) 10:00 〜 19:00(ただし、入館は18:30まで) ※来館日時指定予約をしていただいた方に優先的にご入館いただきます。 ご予約フォームはこちら |
観覧料 | 一般:900円/学生(高校生以上)・65際以上:450円 中学生以下無料 |
企画制作 | 堀川佳子、文化企画 |
見どころは?
八王子市夢美術館の学芸員の梅田さんに今回の企画展の見どころをお聞きしました。
まずなんと言っても、16作品全ての絵本の「原画」です。
実物を見ることにより、絵本とはまた違ったイラストの質感や線のタッチなどを感じていただけます。
また、「だるまさん」「まくらのせんにん」シリーズの未完作品のラフもご覧いただけます!
さらに80冊以上あるアイデアノートも展示しています。そのうち19冊は中身もご覧いただけます。ストーリーの構想やキャラクターが生まれた背景など、かがくいさんの頭の中を垣間見ることもできます。
本企画展の大きな魅力は、絵本作家・かがくいひろしさんの優しさに触れることができる点です。かがくいさんは、どんな子供も笑顔にできるようにと願いを込めて作品を作り続けました。その作品の根底には、特別支援学校での28年間にわたる教員経験が深く関わっており、その中で培われた温かい人柄について、子供たちとの心温まるエピソードや展示作品の随所から感じ取ることができます。
子供も楽しめる?
館内には沢山の展示物だけでなく、企画展オリジナルのアニメーションが流れています!
「だるまさん」「まくらのせんにん」等に出てくるキャラクターたちが登場する動画に子どもたちも釘付け!
大人も子どももつい体を動かしたくなるような仕掛けもあります。
また、工作を楽しめるスペースや絵本スペースもあるので、子どもたちもさまざまな楽しみ方ができます。
展示の内容を少しだけご紹介!
たくさんのキャラクターたちが描かれた入口をくぐると…
「だるまさん」シリーズの原画があります。
構想段階のイラストやダミー本を見て、実際の本と違うところを探してみるのも楽しいかも?
さらに進むと他の絵本の原画やラフスケッチが盛りだくさん!
絵本以外のデッサン画やアイデアノート、特別支援学校の教員時代に子どもたちと一緒に作った作品もあります。
子ども達と一緒に楽しんで作ったことが伝わってくるような、あたたかい作品ばかりです。
所々にある「かがくいひろしの言葉」は読むとハッとしたり、心がほっとしたり。
幼少期のエピソードや、周りの人達から見たかがくいさんにまつわるお話も興味深いです。
オリジナルアニメーションは大きな画面で見ることができます。近くには絵本が置いてあり、工作コーナーもあるので子どもたちも楽しめます。
また、今回の企画展は、展示をはじめとするさまざまな情報を案内する「ポケット学芸員」というアプリを利用することができます。
アプリをダウンロードして、展示物の近くにあるダルマの形をしたプレートの番号を入力すると、作品の説明を見たり聴いたりすることができます。
◆ アプリ使用の際の注意事項
※ご利用の際は、周囲の人や展示物などにぶつからないよう注意してください。
※館内で音声ガイドを聴く場合は、周囲に音が漏れないようイヤホンを使用するなどしてください。
【開催案内】 シンポジウム「かがくいひろしの世界と東京学芸大学」
かがくいさんの母校である東京学芸大学で、シンポジウムの開催が予定されています。
かがくいひろしの世界と東京学芸大学
会場 | 東京学芸大学 芸術館 学芸の森ホール |
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開催日時 | 2024年10月30日(水)16:00〜17:40(15:30開場) | 参加料 | 無料 ※要申込み 先着順。詳細はこちら | パネラー | 谷 ちか (元出版社勤務/デザイナー)、田村 明彦(グラフィックデザイナー)、水島 尚喜(聖心女子大学教授)、本橋 栄(民生委員児童委員) |
主催 | 東京学芸大学 アート・アスレチック教育センター |
八王子市夢美術館について
今回の企画展が行われている八王子市夢美術館は、2003年に「暮らしの中の美術館」をコンセプトに開館しました。
市街地に位置し、地域の人々が気軽に訪れることができる美術館です。敷居の高いイメージを持たれがちな美術館ですが、幅広いジャンルの展覧会を開催することで、多くの人々に親しまれています。
当美術館では、絵本作家や銅版画、近代美術など多彩なテーマで展覧会を行い、訪問者が芸術に触れ合う機会を提供しています。
いかがでしたでしょうか。子どもから大人まで楽しめる「かがくいひろしの世界展」は11/4(月・振)までの開催となっております。ぜひ足をはこんでみてください。
また、TAMA ebooksでは、八王子市夢美術館のある八王子市や、多摩地域のお出かけ・イベント情報などを掲載していますので、ぜひご覧ください。