今年の春、調布市の深大寺にて、東京都指定有形文化財である『元三大師像』の御開帳(ごかいちょう)が開催されます。秘仏とされるこの像は、日本最大の肖像彫刻としても知られ、本来は50年に一度しか開帳されない貴重な仏像です。
今回は、奈良国立博物館 美術院工房で3年にわたり修理された大修理完了を記念し、広く一般公開されます。
この春、深大寺の静かな境内で、日本の中世からの歴史に触れてみませんか?
元三大師像とは?その歴史と文化的価値
元三大師とは、比叡山の高僧慈恵大師良源(こうそう じえだいし りょうげん)の通称です。比叡山中興の祖としてあがめられており、おみくじを考え出したことでも有名で、厄除け大師として広く知られています。
像の制作は鎌倉時代にさかのぼり、坐像でありながら、像高約2メートルで、国内最大の肖像彫刻です。鎌倉時代、日本はモンゴル帝国(元)のフビライにより2回の侵攻を受けました(元寇)。巨像制作の動機として、鎌倉幕府の意向があり、元寇降伏を願う呪詛のためだったのではないかとも考えられています。
江戸時代と深大寺
江戸時代には、両国回向院への像の出張である出開帳が明和2年(1765年)と文化13年(1816年)の2回行われており、深大寺が厄除け祈願の寺として江戸の人々にも知られていたことが分かります。
日本史を肌で感じることができる絶好の機会です!
「元三大師像」の御開帳(ごかいちょう)
期間 | 令和7年(2025年)4月26日(土)~6月2日(月) |
---|---|
時間 | 午前10時~午後4時 |
場所 | 深大寺 元三大師堂 MAP |
拝観料 | 1,000円 |
備考 |
混雑が予想されるため、公共交通機関をご利用ください。 |
公式サイト | |
心と歴史に触れる貴重なひとときを、深大寺で。
今回の御開帳は、50年に一度の貴重な機会です。元三大師像は、日本の肖像彫刻の最高峰ともいえる存在で、仏像ファンや歴史愛好家のみならず、初めての方にも深い感動を与えることでしょう。
新緑の深大寺を訪れ、静かな境内で歴史の鼓動に耳を澄ます時間を、ぜひお楽しみください。
他にもTAMA ebooksでは、調布市の暮らしやイベントなどの情報を発信しています。
最新の市報はこちらから